数学カフェ

数学カフェの活動内容をまとめます。

サイエンスアゴラ出展の経緯

こんにちは。

数学カフェの中の人です。

 

サイエンスアゴラ出展ふりかえりアドベントカレンダー2日目。

今回は、サイエンスアゴラ出展の経緯を書いてみようと思います。

 

目次

 

 

数学カフェとは?

 

数学カフェは、

数学を学びたい!という熱意さえあれば、

どんな人でも参加できる、本格的な数学勉強会です。

参加のルールはただひとつ。

頑張る人のことを尊重する、ということです。

毎回テーマを決めて、その分野の専門の方などに講師をしていただいています。

 

2015年の3月から、1年10ヶ月の間に、

月1ペースで、スピンオフも合わせると19回開催しています。

 

一般向けにもかかわらず、約6時間に及ぶ長丁場ですが、

最近では70名近く集まる回も多く、

熱意ある人が多くいらっしゃるのだなぁと嬉しく思っています!

 

参加者のバックグラウンドは幅広く、

異分野を学びたいという数学科の学生の方や、

リタイヤされ、再度深い学問をしたいという方、

数学・物理・工学専攻の社会人の方、

はたまた、これから数学を学びたいという文系の方、

中には、子育て中で、赤ちゃん連れの方も(数学専攻ですが)。

 

 

 

一般向けとは言えど、

極力妥協せず、きちんと数学を学べる場にしたいと思いますし、

数学カフェはあくまできっかけで、

参加したことを契機に本気で数学を学ぶ人を増やしたいという思いがあります*1

 

 

過去のテーマ一覧は次の通りです。

 

  1. プログラミング言語代数的構造を導入するには?
  2. フラクタルとはなにか?
  3. ゲーム理論とその応用
  4. 数理最適化
  5. ファットグラフモデル(生物学への応用、Kontsevich の研究成果)
  6. 折り紙の数理
  7. データサイエンスの数理 
  8. データサイエンスの数理2(トポロジカルデータアナリシス)
  9. コンピューター将棋/トポロジカルインデックス
  10. 数学史
  11. 暗号
  12. 重力波(検出器から一般相対性理論まで)
  13. 素数!!
  14. 圏論 圏論の基礎、型と圏
  15. 復習回 過去の講演の発展編
  16. 圏論2 「数学における圏論の機能」「数論における圏論
  17. 数論の諸分野
    「クンマーの合同式ゼータ関数の左側」
    「岩澤類数公式」
    BSD予想の紹介」
    「高さ入門」
  18. スピンオフ企画「楕円曲線のWeil予想」
  19. 数理生物回1

 

様々なテーマを扱うことができました。

特に応用の回は、

日本語の文献も少ないような最新の結果に触れることが出来ますし、

数学についても、1日で分野のイントロを学べて、

勉強の目標が出来た!とか、

もっと数学をきちんと学びたい!といって、自主ゼミを開始されるなど

とてもうれしい変化が起こっています。

 

ひとえに、素晴らしい講師の皆様と、熱意ある参加者の皆様のおかげです。

ありがとうございます!

 

数学カフェの目指すもの 

 

このように、多様な人々が集まる中で、

新たな夢が湧いてきました。

 

それは、

 

「数学を軸にして出会う人達を繋ぐ場として、

新しいモノづくりができるようにしたい!」

 

というもの。

 

やはり熱意ある方々が集まる場ですので、

みんなでコラボ出来たら、とても面白いことが出来るのでは?!

と思っていました。

 

 

特にプログラマーの方も多くいらっしゃるので、

新規性のある数理的な手法の実装が出来たらいいなぁと

思っていました。

 

 

そんなとき、昔お世話になった数学者の三浦さんの4次元積み木への思いを聞き、

 

ぜひご協力させていただきたい!

 

と思ったのでした。

 

実際、賛同してくださる方はとても多く、

素晴らしい船出を迎えることが出来ました。

 

 

様々な人の良さを活かせた、サイエンスアゴラ

 

今回、数学者の方とのコラボを通じて、

よい人材のマッチングなどが出来たのではないかと思っています。

 

 

数学者の方には、新規性のある手法のアイデアがあった。

プログラマーの方には、それを実現させる技術があった。

デザイナーの方は、より美しく、魅力的に見せる方法を知っていた。

社会人の方には、よいチームワークを達成する経験があった。

みらい研究所には、VR技術を体験でき、多くの人が集える場があった。

そして数学カフェには、

大きなイベントに企画を通すために必要な、十分な活動実績があった。

 

その他にも、様々な力を持った人たちが、

各々の技術を出し合って、1つの作品を完成させることが出来たと思います。

 

違う分野の人と共に仕事を進めることで、

仕事を進めるときの良い技も学ぶことが出来ました。

 

 

今回のイベントをきっかけにして、

普段の生活では知り合えないような多様なメンバーと共に

ひとつの仕事を成し遂げることができました。

 

数学カフェとしても、ひとつの大きな目標を実現させることができました。

これからも、こういった素晴らしい出会いの場に出来るように、

今回の経験を活かしていきたいと思っています。

 

皆様、お疲れ様でした!&ありがとうございます!

 

 

最後になりましたが、

昨日、三浦さんの4次元積み木への思いがアップされました。

 

 

blog.miurror.net

 

今回数学カフェを通じて、

三浦さんが試行錯誤してこられた課題を、

プライベートの集まりによって解決への一歩を踏み出すことができたこと

とてもうれしく思います。

 

今後も、新しいカタチの、学際的な研究が起こる場にしていきたいと思います。

 

読んでくださりありがとうございました!

 


明日は、4次元立体視の仕組みについてアップします!

乞うご期待です!

 

qiita.com

*1:

※奇しくも、WELQの問題が話題になっています。

医療という生命に関わる分野でありながら

科学的根拠を持たない記事を量産するなどの問題が指摘されていました。

詳しくはこちら。

 

bylines.news.yahoo.co.jp

 

この件を通じて、科学リテラシーというものについて

再度深く考えさせられました。

思考力というものは、与えられて得られるものではなく、

自発的に訓練することによって得られるものと思っています。

数学カフェは、数学を通じて、自発的に考え、深く学ぶ習慣を持つ人を、

一人でも多く増やしていく場にしたいと思います。